
流通情報学部
日埜 博司(ヒノ ヒロシ)
HINO Hirosi
学位:
所属 (学部?職位?学内役職) | 流通情報学部 教授 |
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連絡先/ホームページ | |
学歴/経歴 | 京都外国語大学大学院外国語学研究科(ポルトガル専攻)修士課程(文学修士) |
担当科目 | |
授業?ゼミ | 今年度の履修要綱に記したことを摘録しておきます。 【ポルトガル語】 祝!ブラジル、ワールドカップ優勝 今年度の履修案内、何はともあれ、この祝辞をマクラコトバにせずしては始まりません?ポルトガル語(以下、ポ語という)は、ヨーロッパ西端に位置するポルトガルと南米一の大国ブラジルをはじめ、世界中でざっと1億8000万の人々が常用する世界の主要言語のひとつ。南蛮人渡来を通じて、わが国との歴史的つながりも深い言葉です。今から450年前に、かの有名なザビエルを日本へ連れてきた鹿児島出身のヤジローという人が日本人として初めてこの言語を学びました(ザビエルとヤジローの会話はポ語で行なわれていました)?私のポ語講座は、本学サッカー部イレブンの駆け込み寺(?)と化して久しいのですが、ポ語は何もサッカー狂のためにだけ存在する言葉ではない。ちゃっかり自慢話をしますが、本学に来れば、日埜にじきじきポルトガル学を習えるという情報(これは決してうそイツワリではない。現に私のところで16世紀ポルトガルの料理書をテーマにおもしろい卒業研究を仕上げた女子学生がいる)をどこかから仕入れて、そういう希望を入試の面接の際はっきり述べた人がいたとか、いなかったとか。どちらにせよ、関心を絞りこんで特定の何かをやり遂げようという奇特な人との出逢いは楽しみです?さて授業では、毎度、両国著名人(たいていはサッカー選手ですけど)の名前を材料にして、ちょっと鼻にかかったポ語の美しい発音を学び、ポルトガル?ブラジル世界の新鮮な話題を折りこみながら、ごく簡単なポ語文法と会話をマスターするところまで持ってゆきます?それから、ワールドカップ前後に放映された(セレサォン。サッカーブラジル代表のこと)のインタビューをたっぷりビデオに収録しましたので、今年度は、スーパースターの日常会話を手がかりに、自然なポ語表現に接する機会を少なからず提供できると思います。ロナウドいわく、「(今大会の)目標のひとつは再び世界一に返り咲くことだ」。神様ジーコいわく、「中村(俊輔)は日本のサッカー(史)に現われた最高の選手のひとりだ」。「ひとりひとりが人よりもいいものを持っている」。さあこれをポ語でどういうか。理詰めで知りたければ、私の授業をどうぞ?神様が日本に植えつけようとしているのはfutebol alegre(フッチボール?アレグリ=楽しいサッカー)ですが、私は徹頭徹尾をめざします。志ある顧客(=学生)すべてに満足してもらえる、わかりやすく朗らかでサービス精神に満ちた講義を提供することが、私の理想であり実践上の目標です。 【基礎演習】 日本では酔っ払って絡んだりゲロを吐いたりする人になぜこうも寛容なのか。「シナ」と「中国」は本来どう使い分けるべきか。わが子は直接名前で呼ぶのに、親に向かってそうできないのはなぜか……?ことばと文化をめぐる日常的課題から種々雑多な疑問を掘り起こし、考えかつ論じてもらうことを主眼とするユニークなゼミです。ゼミの性格に照らして特定のテキストはありません。ほぼ毎回プリントを配布するとともに視覚的な参考資料をたくさん持参します。 |
研究?専攻分野 | ポルトガル文献学(大航海時代にポルトガル語で書かれた文献?史料の翻訳および考証) |
研究テーマ | 大航海時代はポルトガル人をはじめとするイベリア半島の人々によって世界史上初めて地球規模の情報ネットワークが実現した時代。リスボンと東洋各地との間を往復するため命がけの船旅に挑んだ人々はどんな心構えで航海に臨んだのか? 船内生活の実態は? 難船に際して人々がとった行動は? その一端を知るための記録が16~17世紀に種々執筆されました。『海難悲話』と総称されるそうした資?史料群に今、一編ずつ翻訳?注釈の手を加えています?17世紀初めにディエゴ?コリャードというスペイン人ドミニコ会司祭がローマで『懺悔録』というタイトルの本を刊行しました。モーセの十誡に違背する罪を犯した日本人キリシタンの懺悔(教会用語では告解)をポルトガル語式のローマ字で書きとめた興味深い記録。数年前、この書物に収められた懺悔のうち「汝、姦淫するなかれ」の掟に反する罪のそれをポルトガル語へ直してリスボンで発表したところ、少なからぬ反響がありました。夜這い、密通、蓄妾、強姦、堕胎、避妊、男色、自慰、獣姦等々、カトリックが禁ずる罪を犯した日本人信徒による懺悔の数々。しかし一般的日本人にとってそれらは果たしてどこまで「いけないこと」だったのでしょうか。当時の日本にはカトリック倫理や西欧中心主義の単純な押しつけを厳しくはねつける、そんな独自の道徳律が機能していたことを、『懺悔録』を材料として、ヨーロッパ?カトリックの読者へ伝えようとする論考をポルトガル語で作成しています。 |
著書?論文?研究発表 | 「ポルトガル人の種子島漂着と鉄砲の日本伝来」大阪城天守閣『特別展図録 日本の鉄砲――吉岡コレクションの全貌に迫る』1983年 「ポルトガル大航海時代の裏面史『海難悲話』について(その1)――ディオゴ?ド?コウト『アギア号とガルサ号の航海記』訳注」長崎史談会編『長崎談叢』第87輯、1998年 東武美術館/朝日新聞社編『来日450周年 大ザビエル展 その生涯と南蛮文化の遺宝』1999年(図録全般の編集および寄稿論文の和?葡訳) |
所属学会 | Academia Internacional da Cultura Portuguesa |
社会貢献活動 | |
学生へのメッセージ | 平生は冗談と軽口を楽しみながら好きな生業に臨むときは徹底して細部にこだわる。そんな「遊戯三昧」(ユゲザンマイと読む)の生き方に憧れます。皆さんもいかがでしょう。 |